退職後の生活を有意義にするには

退職後の生活を有意義にするには

【経営 事上磨錬】~シナプス社員ブログ~
中小企業の経営ノウハウ、シナプスで実践中の取り組みについて、代表取締役社長 藤本が解説します。

 

シナプスイノベーション代表取締役の藤本です。

 

前回のブログで、当社が定年制を廃止にした背景と、廃止後の実際についてお話させていただきました。

我が社はなぜ定年制を廃止したか

2017.09.16

 

その中で、定年制廃止の理由の1つとして、長年集団生活をしてきた人が突然退職をすると、その後の生活を有意義に過ごすのが困難になることを挙げました。

今回はこの点について、掘り下げていきたいと思います。

 

 

これまで会社組織の中で集団生活を行ってきた人が、定年後、たった1人で老後の生活を計画し実行していくのは、学生が社会に入ることよりもハードルが高いと、私は考えております。

 

日本のビジネスパーソンは、大半が所属している組織の上司の命令に従って仕事をしています。
そのため、物事を一から考えて実行するのが苦手な方が多いようです。
しかし、定年後の生活を自ら舵取りしていくというのは、実は1人で起業するに等しい大事業です。
自分が何をやるのか、どんな風にやるのか、指示してくれる上司はいません。
トップダウンの集団生活に馴染んだ人が突然こうしたことを求められるというのは、人生の大きなリスクです。

 

理想をいえば定年に向かって、その後の生活のために必要な財務、健康、世の中への貢献等に関する知識とそれを活かす技術を、新入社員がビジネス常識を学ぶように学ぶ時間があってしかるべきだと思います。
ですが実際には、そのようなプロセスを経て退職を迎えている方はほとんどおらず、大半の方が無知なまま世の中に放り出されているのが現実です。
(この記事を書きながら、そのような助走期間の制度を作ってみようと思いました)

 

私は、大手企業を退職し独立を目指す方々の支援をさせていただいた経験があります。
その中で非常によく見られたのが、そうした人たちが独立をした後で、所属していた企業のブランド価値が予想以上に大きかったことを思い知るケースです。

つまり、それまでは彼ら個人の力だけではなく、企業の力に助けられて仕事をしていたのだという現実に直面するのです。
多少なりとも経営に関わってきた方は、企業ブランドの価値を理解しているので、その後ろ盾なしに何かを計画、実行し評価されることの大変さも身に染みているのですが、これまで企業の保護下に置かれてきた方々にとっては、未体験の事態です。

 

この現実を受け入れ考えを切り替えられる方はいいのですが、いつまでも過去にしがみつく方の場合、新しい生活はなかなかうまくいきません。
ましてやこれまで世話をしてきた部下をあてにされるような方の生活は、絶望的です。もはやそんな時代ではないのです。

(なお、支援させていただいた方のうち数名は、その後当社のメンバーになりました)

 

当社ではこうした課題を踏まえ、退職者のうち希望する方に、新たな職場を提供する制度があればよいのではないかと考えております。
これはただ働く場所を提供するということではありません。
これまでの人間関係を維持したまま新しいスタートを切れることが重要なのです。

 

退職後に新たな仕事や社会活動に就こうとすると、仕事を覚えることのほかに、新たな人間関係の構築を図ることも必要になります。
しかし繰り返し申し上げたとおり、これまで自社の世界しか知らなかった方が、新しい仕事を覚えつつ新しい人間関係を構築するのは、容易なことではありません。

 

新たな職場の事業は、これまでの仕事と関係があってもよいし、全くなくても構いません。
私としては、新しい職場は元々の職場の課題を解決する役割を担えるとよいと思いますので、小さな子を預かる託児所や、会社のランチを作る食堂などを構想しております。

 

運営は、利益を上げることより、高齢者が長く世の中に関わってゆくことに重点を置くべきです。
事業継続上赤字では困りますが、人件費や固定費を大きく上回る利益を出して株主に還元するようなものではなく、必要なだけの収入を得て仕事を維持していく、NPO的な法人が望ましいです。
働く時間も週3日とか1日4時間とか、ひとりひとりに応じた柔軟な仕組みにすればよいでしょう。

 

 

東京の大手居酒屋チェーンで目下の人たちに顎で使われている高齢者の方をみると、私は違和感を覚えます。
どうせ新しい生活を始めるなら、昔同じ釜の飯を食った仲間たちと過ごす方が、ずっと自然で快いのではないかと思います。

 

まだまだアイディアレベルのことではありますが、当社のベテラン社員の方々と話し合って、今後こうした制度を実現していくつもりです。
よいアイディアがあれば募集しておりますので、気軽にご意見をいただければ幸いです。

 

■この記事をぜひシェアしてください
「いいね!」していただくと、広報ブログの更新を見逃しません