原価要素?コストプール?~原価管理の世界の“コトバ”~

原価要素?コストプール?~原価管理の世界の“コトバ”~

【改善コンサルタントのKANSINノート】~シナプス社員ブログ~
宝塚歌劇をこよなく愛すコンサルタントが、日々の仕事や暮らしの中で関心を持ったこと、感心したこと、歓心を得た事を綴ります。

 

おはようございます。
シナプスイノベーションHybrid Denno事業部・中里です。

 

私の開発している生産管理パッケージ「Hybrid Denno」を、昨年から何度かご紹介してきました。
Hybrid Dennoは現在、最初のバージョンをリリースし、次期バージョンの開発を行っています。次のバージョンには、原価管理の機能を搭載します。

 

原価管理は製造業にとって欠かせないテーマですが、きちんと理解できていないという方も意外にいらっしゃいます。
以前私も、『「原価管理」と「原価計算」の違いがわかりますか?』というブログを書きました。

「原価管理」と「原価計算」の違いがわかりますか?

2017.04.15

今回はもう一歩進んで、原価管理の“コトバ”についてお話します。

 

 

“原価要素”、“コストプール”、“コストセンター”などなど、原価管理の世界には特有の“コトバ”があります。

 

会計の世界に共通の“コトバ”があるのと同じです。
例えば“勘定科目”、“借方”、“貸方”、“貸借対照表”、などなど。

 

“コトバ”を間違えていると、意図が相手に通じません。

 

昔、ある企業様向けの会計パッケージ導入に関わっていた時に体験した事です。
この会計パッケージの導入パートナーで、導入コンサルタントとしてこれから独り立ちしようとしている若い方と話をしていました。
この方は、簿記は勉強しているので基礎的な事は理解していると仰っていました。

 

ところが会話のなかで、“かんじょうかもめ”、“しゃくほう”、“たいほう”と、聞きなれないコトバが何度もでてきます。
“かもめ”??? ……会話をしてゆくうちに、なんの事か理解できました。
この方、自信たっぷりに話をするので、あまりにおかしくて、今でも覚えています。

 

会話をしたから理解できましたが、この“コトバ”を聞いていたのでは、何のことかさっぱりわからなかったでしょう。

 

 

それでは、原価管理の基本的な“コトバ”をいくつか紹介します。

 

原価要素

原価計算において、原価を構成する要素の最小単位を指します。
会計での勘定科目に当たります。

 

ただし原価要素=勘定科目とは限りません。
原価要素と勘定科目とでは、内訳の粒度が違うことがあります。
例えば、原価要素としては“労務費”としてまとまっている要素が、会計上の勘定科目では“給与手当”、“法定福利費”などに分かれていたりします。

 

コストプール

原価要素を貯めるハコです。ハコひとつひとつにコストを貯めるのをイメージしてください。
例えば部門ごとに原価を見る場合には、“管理課”、“生産技術”、“製造部”などがコストプールに当たります。
この場合、コストプールのことを原価部門と呼ぶこともあります。

 

部門とは違う視点で原価を見たい場合もあります。
ABC(Activity Based Costing 活動基準原価計算)という、業務プロセスを細かな活動(アクティビティ)に分解してアクティビティごとに原価を管理する手法があります。
ABCでは、アクティビティ単位で原価のハコを作ります。
例えばある製品を設計するためにかかった“電気代”や、検査するためにかかった“水道代”がコストプールになります。
Hybrid Dennoでは、この考え方を取り入れています。

 

コストセンター・プロフィットセンター

これは経済学用語で、原価だけが発生する部門と、原価に加えて利益が発生する部門の事です。
“原価センター・利益センター”ともいいます(SAPではこう呼ぶようです)。
コストセンターは原価で、プロフィットセンターは原価と利益の両方で評価されます。
一般的には、製造部門や管理部門が“コストセンター”に当たります。
対して“プロフィットセンター”は、通常、営業部門が当てはまります。

 

ただし、どこがコストセンターでどこがプロフィットセンターかは、組織の評価の仕方で変わる場合があります。
例えば管理会計上、製造部門と営業部門の間でのやりとりでも、部門利益を計算する場合があります。
製造部門が実際の原価に自部門の利益をのせ、営業部門に製品を売るというやりとりをイメージしてください。
この場合製造部門も、製品を売った利益で評価されるので、“プロフィットセンター”となります。

 

などなど、ざっと紹介しましたが、もちろんもっとたくさんの“コトバ”があります。お客様によって微妙に使い分けが異なる場合もあります。

 

 

原価管理を担当している方と意思疎通するには、原価管理の世界の“コトバ”が必要です。

 

遠い国の“コトバ”のようで近づき難い感じがすると思いますが、いったん分かると、お客様の業務の内情がよく見えるようになります。

 

 

簿記を勉強されている方は、簿記には商業簿記と工業簿記があることをご存知かと思います。
工業簿記で扱うのは、主に製造に関する勘定連絡の勘定記入ですが、これは原価管理の基本となる知識です。
これを学べば、原価管理の“コトバ”を理解するための基礎が身につきます。
工業簿記をマスターして、原価管理の世界に入ってみませんか?

 

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