日本の健康保険は、海外旅行中も適応される(・・・場合がある)

日本の健康保険は、海外旅行中も適応される(…場合がある)

【シャローシのお仕事】~シナプス社員ブログ~
シナプスイノベーションの社労士がお届けする、企業の人事・労務に関するお役立ちコラムです。

 

ゴールデンウィークが終わって1週間ですね。

 

シナプスイノベーションでは、飛び石連休の間の平日を「有休取得奨励日」として長期休暇の取得を推奨していますので、9日間のまとまった休暇を取った社員も少なくありませんでした。

 

もちろん、有休取得に向け、自分の仕事を終わらせるためのコントロールは自己責任。
担当している業務の都合でカレンダー通り出てきた社員もいましたが、それでもGW後半は5連休。
外に出たり、家を片付けたり。リフレッシュできた人が多かったようです。

 

・・・

 

ゴールデンウィーク明けの月曜日、シナプスの社労士・浅尾さんが、お土産らしきものを満面の笑みで配りながらまふゆさんの席に近づいてきました。

 

「まふゆさん、どうぞ! 台湾の定番お土産、パイナップルケーキです。ここのは特別おいしいですよ(※1)」

 

「ありがとうございます。特別おいしいケーキ? そこまでアピールされるととても気になります。早速、今日のお昼休憩でいただきます。台湾はいかがでしたか? お子さんと一緒に行かれたんでしたっけ?」

 

「ええ、子どもと、それから父も一緒に。親子三代旅行になりました」

 

「へぇ~。親孝行できてよかったですね。お父様も喜んでいらしたでしょう」

 

「それがね、父はひどい花粉症なんですけれど、台湾はスギ花粉の量が少なくて、症状が出なくなると聞いて最初とても喜んでいたんです。それなのに、到着直後から咳が止まらなくなって」

 

「えっ、スギのかわりに台湾独自の花粉が飛んでいるんでしょうか」

 

「そう思っていたら、なんと2日目に熱を出してしまって。翌日にはあっさり熱が下がったのでよかったのですが、本当に心配しました。

お医者様にはただの風邪だと言われたのですが、海外での体調不良って心細くなりますね」

 

海外で受けた治療も、日本の健康保険が適応される場合がある

「海外でお医者様に……! アメリカなんかで病院に行くと、旅行代以上の医療費が必要になると聞いたことがあります。台湾は大丈夫でしたか?」

 

「海外旅行保険に入っていたので、大丈夫でした。それに、日本の健康保険って、海外で受けた治療についても適用してもらえる場合があるんですよ」

 

「そうなんですか? 海外で日本の健康保険証が通用するなんて、すごいですね!」

 

「いえいえ、さすがに現地で直接被保険者証を出しても、理解していただけません。
健康保険の「海外療養費」という制度を使うことになるのですが、現地では一旦全額自己負担で支払い、日本に戻ってから加入している健康保険(※2)に請求する仕組みになっています」

 

「事後の請求なんですね。じゃあ、医療を受けたという証明書類をもらっておく必要があるんですか?」

 

「さすがまふゆさん、鋭いですね。加入している健康保険によって違いはありますが、例えば協会けんぽの場合だと

  1. 療養費支給申請書
  2. 診療内容明細書
  3. 領収明細書
  4. 領収書原本
  5. パスポート等の写し(渡航期間の確認のため)
  6. 海外での診療等を担当した医療機関等に照会することの同意書

の提出が必要になります。

1~3と6の書類のフォーマットは、協会けんぽのウェブサイトから入手することができます。

そのうち2と3は現地の医療機関で中身を記入していただく必要がありますので、事前に準備して診療を受ける際に持参すると、その後の手続きがスムーズですね。また、健康保険へ提出時に日本語訳を添える必要がありますから、理解できない内容があればお医者様に確認しておきましょう。

4も現地できちんと受け取ってくるようにしてください」

 

「それで、全額返してもらえるんですか?」

 

「またまた鋭いご質問。

海外療養費は、日本国内で同じ傷病を治療した場合にかかると想定される金額で計算されます。
ですので、医療費の高い国、例えば先ほどまふゆさんがおっしゃったアメリカなどで治療を受けた場合だと、ほんの一部しかカバーされない可能性があります。

たとえば、日本では自己負担額3000円・健康保険負担額7000円の治療が想定されるケースでも、医療費が高額な国では何十万円もかかることがありますよね。その場合、残念ながら7000円しか戻ってきません」

 

「それは厳しいですね。健康保険が使えると言っても、やっぱり海外に出るときは海外旅行保険に入っていた方がよさそうですね」

 

「そうですね。海外旅行保険によっては、帰国日を変更しなければならない場合や、救援者が現地に渡航する場合の費用まで補償してくれるものもあります。

必要な補償だけカスタマイズで組み合わせて保険料を抑えることもできますので、万が一に備えて入っておくほうが安心でしょうね。

最近はクレジットカードにも海外旅行保険が付帯されているものがあるのですが、旅行代金をそのカードで支払わないと適用されないなど、いろいろと条件が……」

 

社労士の業務範囲を飛び越えて、海外旅行保険について熱く語り始めた浅尾さん。

覚えきれないし、次に海外に行くときにもう一度質問しようと思いながら、とりあえずパイナップルケーキが気になるまふゆさんでした。

 

※1:台北にあるSunnyHillsのパイナップルケーキは、パイナップルのワイルドな食感と甘さと酸味のバランスが絶妙です。
※2:加入している健康保険は、保険証(健康保険被保険者証)の「保険者」欄に記載されています。

■この記事をぜひシェアしてください
「いいね!」していただくと、広報ブログの更新を見逃しません